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人と人を繋ぐ酒造り~男山本店

今週は私の友人の菅原大樹君からゲスト記事の提供頂きました。是非読んで見てください!

宮城県の北東、大きな漁港がある気仙沼市には、100年以上その地に根ざして日本酒造りを続けている酒蔵があります。それが「株式会社 男山本店」です。

今回は私、男山本店5代目の菅原大樹(すがわらひろき)が男山本店についてご紹介します。

自己紹介

まず、私という人間についてご説明します。

私は1991年に気仙沼で生まれました。高校を卒業するまでの18年間を気仙沼で暮らし、高校を卒業した後は、札幌にある北海道大学に進学しました。実は、高校卒業時点では父の後を継ぐことに迷いを感じていて、酒蔵で働こうとは考えていませんでした。

男山本店5代目の菅原大樹君

しかし、その後在学中に東日本大震災が起き、私たちの会社も大きな被害を被ることになります。そんな時、気仙沼内外から多くの方が男山本店に救いの手を差し伸べてくださったのです。

それをきっかけに、私は「様々な人に助けられ、存続することができたこの酒蔵を、私も引き継いでいきたい。私がやらなければならない。」と考えるようになります。

大学卒業後は、すぐに気仙沼に戻り酒蔵に入るのではなく、別の形で社会での経験を積みたいと思い、飲食店(回転寿司)で2年間仕事をしました。この2年間は人との関わり方や、店舗のマネジメントなどを学ぶことができた貴重な経験です。

現在は気仙沼に戻ってきて、短期の海外留学を経た後、男山本店の海外営業担当として働いています。

男山本店の酒蔵

歴史

創業は1912年で、今年で106年目を迎えました。現社長が4代目となります。

「男山」という社名は、私たちの酒蔵の創業者が、清酒の製造免許を取得した際に、京都の石清水八幡宮(別名:男山八幡宮)に念願が叶った記念のお参りをし、そこで宮司より賜ったという由来があります。

男山本店の本社ビル(震災前の様子)

1932年には小売店舗を兼ねた、本社ビルが完成し15年ほど前にはその建物が登録有形文化財にも指定されました。

2011年の東日本大震災では津波により、その本社が全壊するなど、大きな被害を受けましたが、多くの人たちの支えと応援によって、現在に至るまで、酒造りを続けることができています。

男山の酒造り

男山本店では、地元の気候風土に根ざした酒造りを心がけています。

生産量に対する、宮城県産米の使用割合は80%を超えており、これは県内でもトップクラスの数字です。また、気仙沼で農家さんと契約し、酒造好適米の「蔵の華」を栽培していただく取り組みも行なっており、全体の約20%は気仙沼のお米を使っています。

酒造りで1番大事だと言われる麹
寒い冬の朝、お米を蒸しているところ
蔵人が麹を造る作業をしているところ
醪(もろみ)

水は気仙沼の鹿折地区荒神の井戸水を汲んでおり、ミネラルなどの少ない、軟水を使っています。軟水は酒造りの過程において、発酵が進みづらいと言われていて、扱うのが難しいという性質がありますが、上手く利用することで、口当たりが柔らかく、飲みやすいお酒を造ることができます。

「蒼天伝」しぼりたて生原酒

代表銘柄

男山本店の代表銘柄は、大きく分けて蒼天伝、男山、美禄の3種類です。

「蒼天伝」は約15年前に開発され、コンセプトは“お酒を通して気仙沼を表現する”でした。そこで着目したのは気仙沼で食べられている食材です。気仙沼では、鰹やメカジキ 、さんまを始めとして脂の乗った良質な魚が多く獲れます。そういった魚介類と一緒に飲む際に、食事を邪魔せず、引き立てる。そんなお酒を造ろうと開発されたのが蒼天伝です。

「蒼天伝」の純米酒

次に「男山」です。男山は、創業当初からの銘柄で、コンセプトのもとで作られたというよりは、長年、気仙沼の地で親しまれてきたすっきり辛口という味が、自然と男山の商品特性になっています。

陸前男山「伊達政宗」特別純米

最後に「美禄」は、酒造りの責任者である杜氏の遊び心を反映しています。気仙沼の酒蔵として、地元に根ざすというこだわりは大切にしつつも、それだけに留まらず、造り手として蒼天伝や男山とは違った味わい・コンセプトで様々な挑戦をするためのブランドです。現在は四季に応じて年4回発売される、季節酒シリーズが中心で造られていますが、今後はさらに新しい商品も発売して行く予定です。

美禄(夏)特別純米酒

酒蔵見学

私たちは、酒蔵見学も受け付けています。

見学時間は月〜土曜の9:00〜17:00です。事前に電話またはメールでお問い合わせをお願い致します。日本語か英語で対応可能です。

スローフードベルリンの方々が酒蔵見学後、旬のお酒の試飲します

酒蔵見学では、日本酒造りの工程と環境、どのような道具や設備を使っているかなどを知ることができ、私たちの蔵のお酒を試飲することもできます。

時期によっては、その時にしか飲めないお酒をご用意している場合もあります。

酒蔵としての想い

私たちの酒蔵の企業理念は「自然と人、人と人を繋ぐ酒造り」です。

気仙沼で作られる「蔵の華」の稲刈り

日本酒とは本来、酒蔵がある土地の米・水・気候から影響を受け造られるもので、自然から生まれるものです。そして、それを洗練し、みなさんが飲む日本酒という形にするのには人の技術です。私たちは自然が与えてくれた原料や環境に対し感謝をしつつ、今日まで受け継がれてきている酒造りの技術をもってそれらを日本酒という「形」にし、お客様のもとに届けるという使命感をもって酒造りを行なっています。それが“自然と人を繋ぐ”ということです。

また、お酒というものは、人間の喜怒哀楽が関わる様々なシーンで飲まれるものです。(例えば、結婚式などで喜びのお酒〈喜〉、お酒を飲んでの口論〈怒〉、お通夜などで故人を偲んで飲むお酒〈哀〉、単純に仲間や家族と楽しく飲むお酒〈楽〉)つまり言い換えると、お酒が飲まれる場には人間の感情や人間同士のコミュニケーションがあり、お酒は人と人を繋ぐものだということができます。私たちは、日本酒に人と人を繋ぐ力があることを信じ、何年先も変わらず人々の繋がりの中に私たちの造った日本酒があることを願い、丁寧に心を込めて日本酒を造っています。それが人と人を繋ぐ酒造りということです。

以上の2つの想いを胸に、男山本店は今日も営業しています。

「男山本店」社長 菅原明彦さん

規模は小さいですが、日本酒造り一筋の実直な酒蔵です。

気仙沼の美味い食事に美味い酒。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

男山本店は月曜日~金曜日、9時から17まで酒蔵見学の受付しています。事前に電話またはメールでお問い合わせをお願い致します。 ☎0226-24-8088 ✉info@kesennuma.co.jp

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